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【パネル・ディスカッション】 日米中韓関係: 課題と展望

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  • パネリスト: ジェラルド・カーティス (コロンビア大学教授)、高原明生 (東京大学教授)
  • モデレーター: 明石 康 (国際文化会館理事長)
  • 日時: 2014年4月16日(水) 6:30~8:00 pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 用語: 日本語 (通訳なし)
  • 主催: 国際文化会館
  • 会費: 1,000円 (学生:500円、国際文化会館会員:無料)
  • 定員: 200名 (要予約・定員に達し次第、締め切ります。)

日本、米国、中国、韓国を取り巻く東アジア情勢が、不安定さを増しています。これらの国々が、相反する利害関係を乗り越え、いかに地域の安定に寄与できるのか。とりわけ、日本に求められることは何か。本パネル・ディスカッションでは、はじめに東アジアが抱える課題と展望について、主に中国に力点を置きながら高原氏にお話しいただき、続いて韓国と中国を訪問されたばかりのカーティス氏に、米国の最近の東アジア政策についてお話しいただいた後、お二人からこれらの問題の展望や日本に期待することなどもお話しいただきます。お二人の講演と応答の後には、参加者との質疑応答の時間を設け、議論を深めます。

東京大学大学院法学政治学研究科教授

高原 明生

1958年生まれ。専門は現代中国政治・東アジア政治。東京大学法学部卒業、英国開発問題研究所博士課程修了(サセックス大学DPhil)。笹川平和財団研究員、桜美林大学国際学部助教授、立教大学法学部教授などを経て、現職。その他、新日中友好21世紀委員会委員、日本国際問題研究所客員研究員、東京財団上席研究員などを兼務。共著に『毛沢東、鄧小平そして江沢民』(東洋経済新報社 1999年)、『日中関係史』(有斐閣 2013年)など。共編著に『東アジア安全保障の新展開』(明石書店 2005年)、『現代アジア研究1 越境』(慶應義塾大学出版会 2008年)、『日中関係史1972–2012Ⅰ政治』(東京大学出版会 2012年)など。

コロンビア大学政治学部バージェス記念講座教授、東京財団特別研究員

ジェラルド・カーティス

1940年ニューヨーク生まれ。ニュー・メキシコ大学卒業後、コロンビア大学で教鞭をとり、1969年に同大学より博士号取得、東アジア研究所長も務めた。また、慶應義塾大学、政策研究大学院大学、コレージュ・ド・フランス、シンガポール大学などで客員教授を歴任。大平正芳記念賞、中日新聞特別功労賞、国際交流基金賞、旭日重光章を受章。『日本政治をどう見るか』(日本放送出版協会 1995年)、『永田町政治の興亡』(新潮社 2001年)『政治と秋刀魚―日本と暮らして45年―』(日経BP社 2008年)、『代議士の誕生』(日経BP社 2009年)など、日本政治、日米関係、米国のアジア政策についての著書多数。

レポート

冒頭に、モデレーターの明石康(国際文化会館理事長)が、昨今の日本、米国、中国、韓国を取り巻く東アジア情勢は、危機的状況にあると述べた。日韓や日中の首脳会談が、各政権発足後2年以上たっても開かれていない現状。日本の同盟国の米国が、安倍首相の靖国参拝に関して「失望する」というコメントを発表したこと。尖閣諸島や竹島をめぐる争いや歴史認識に関する問題。このように各国間には課題が山積しており、隣国といかに向き合い、未来を構築していくべきか、早急に話し合う必要があると提起した。

それに対して、中国政治の専門家である高原明生氏(東京大学教授)と、日本政治を専門とし、中国、韓国訪問を終えたばかりのジェラルド・カーティス氏(コロンビア大学教授)がそれぞれの見解を述べた。

まず高原教授は、東アジア地域で起きている多くの問題の中心に、「中国の台頭」があるとした。日本をはじめ周辺諸国は、中国の経済力が増すことで恩恵は受けているものの、その中国が“強さ”を誇示し、軍備化を進めている点には、危惧を抱いているというアンビバレントな状況だと解説した。

そして中国の国内事情として、経済の急速な発展により、社会は活性化しているものの、肝心の改革は遅れ、社会階層の固定化、格差が広がっている現状に言及。習近平総書記はこうした国内の不満を抑えるためにも、対外的にナショナリズムを鼓吹していると分析した。

また現政権の支持基盤として軍が重要な立場にあることや、既得権益層が強固であり、政治的左派が強いという状況下において、就任2年半の習総書記が本気の改革に取り掛かるには、多くの困難が伴い、対外的に強硬な態度は続くだろうと述べた。

次にカーティス教授は、国際情勢の変化によって、日本の外交政策は今、大きな岐路に立っていると述べた。そして以下の三つの問いに答えることで、今後の行方を占うことができるとした。三つの問いとは、安倍氏の総理就任による日本の外交への影響、日米同盟の今後についての日本と米国の立場、そして中国の日米同盟に対する態度についてである。

一つ目の安倍総理就任による対外的な影響は、実はそれほど大きくはなく、今の外交路線は、民主党政権の時代から続いているものであると強調した。ただ歴史問題に関する対応の不手際、集団的自衛権に関する議論については、安倍政権ゆえに起きている問題であるとして、より戦略的で冷静な判断が求められると述べた。

二つ目の日米同盟に関しては、尖閣諸島などの東アジアの緊張をめぐり、日米ともに、双方に不安を抱いている現状があると説明した。ただ誤解してはならないのは、大統領が誰になっても、日米同盟を重視するという米国のアジア政策の戦略は基本的に変わらないと強調。従って、こうした不必要な不安を取り除くためにも、日米両首脳による率直な話し合いをすべきであるとした。

そして三つ目の中国の日米同盟に対する見方については、日本の再軍備化を防ぐため、戦後一貫して中国は日米同盟に異を唱えてこなかったと説明。しかし積極的に賛成でもなく、反対したところで何も変わらないとの現実的な考えから反対していないに過ぎないと述べ、日米関係を弱めることを狙っていると分析した。

最後に、冷えた関係が続く日中関係について、カーティス教授は、お互いが柔軟で現実的な対応をとるべきと強調し、高原教授は、長期的な関係を見通して、経済交流や社会文化交流を継続することの重要性を唱えた。日米中韓はそれぞれが重要な関係であり、一つでも悪化すれば、全体の関係も悪くなり、各国の指導者は、地域の平和と繁栄のために冷静に政策判断すべきという点で、両教授の見解は一致した。

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