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米中戦略競争、トランプ2.0と産業協力(リー・クアンユー公共政策大学院 リュウ・ヨンウク氏)

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アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は、2025年4月30日、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院にて、東アジアの安全保障や国際政治経済を専門とするリュウ・ヨンウク准教授(Dr. Yongwook Ryu)をお招きし、「US-China Strategic Competition, Trump 2.0, and Industrial Cooperation」をテーマにラウンドテーブルを開催しました。

 

本会合では、現代の米中関係は冷戦期の米ソ関係とは異なり、経済的相互依存を背景に、より複雑で交錯する競争関係にあるという認識が共有されました。米国における製造能力の低下、国債と利払いの膨張、サービス経済の進行といった構造的な課題が、中国との対抗戦略に影響を与えているとの見解が示されました。

 

また、第二次トランプ政権が掲げる「相互関税」政策をはじめとする通商戦略がもたらす影響についても議論が交わされ、こうした政策が自由貿易体制に与える潜在的リスクや、消費者・企業双方へのコストの波及についても指摘がなされました。

 

一方で、安全保障分野における製造業の再構築、重要鉱物の確保と精製能力の強化、AIや半導体設計など上流分野での優位性維持といった取り組みが、米国にとって今後の重要課題となることも共有されました。

 

ディスカッションでは、日欧を含む同盟国の役割や、国際秩序における「公共財」から「クラブ財」への移行、さらにはASEAN諸国の対応や立ち位置の複雑さについても多角的に意見が交わされました。特に、同盟国がいかに補完的な製造能力を担い、持続可能な経済・安全保障アーキテクチャを構築できるかが、今後の焦点となるとの視点が示されました。

 

今回のラウンドテーブルは、米中戦略競争が地域と世界に及ぼす影響を多角的に検討し、日本を含むパートナー諸国がどのようにバランスと連携を図るべきかを考えるうえで、極めて示唆に富む機会となりました。

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