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新渡戸リーダーシップ・プログラム第7期(2014年度)

中国の行方と日本の将来の姿

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※本講演は終了いたしました。レポートはこちら

  • 講師: 丹羽 宇一郎(前中華人民共和国駐箚特命全権大使、前伊藤忠商事株式会社取締役会長)
  • 日時: 2014年8月10日(日) 1:30~3:00 pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール(※講堂より変更になりました)
  • 用語: 日本語(通訳なし)
  • 会費: 無料 (要予約) 、定員:160名

少子高齢化など経済や社会構造に課題を抱える日本。世界を語る上で欠かせない中国の行方を読み解きながら、豊かで安心安全な日本社会、ひいては世界の将来のために、何ができるか考えます。

前中華人民共和国駐箚特命全権大使、前伊藤忠商事株式会社取締役会長

丹羽 宇一郎

1962年名古屋大学法学部卒業、同年伊藤忠商事株式会社入社、主に食料部門に携わる。1998年に同社社長、2004年には会長に就任。2010年6月から2012年12月まで中華人民共和国駐箚特命全権大使を務める。2013年4月早稲田大学特命教授に就任。その他、2006年から2008年まで経済財政諮問会議民間議員、2007年から2010年まで地方分権改革推進委員会委員長を歴任。主な著書に『汗出せ、知恵出せ、もっと働け!』(文藝春秋、2007年)、『人は仕事で磨かれる』(文春文庫、2008年)、『新・ニッポン開国論』(日経BP、2010年)、『負けてたまるか!若者のための仕事論』(朝日新書、2010年)、『北京烈日』(文藝春秋、2013年)、『負けてたまるか!リーダーのための仕事論』(朝日新書、2013年)など。

レポート

民間からの大使として、2010年から12年まで中国に滞在した前伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏が、自身の経験から感じた等身大の中国について、さらに日中関係の今後、そして日本が将来あるべき姿などについて持論を述べた。

まず氏は「ひとつの象(群盲評象)」の例えを引き合いに出し、中国という国は、33ある行政区それぞれが、別の国家のように異なっており、部分だけ見ていても全体像がつかみにくい存在であるとした。「台頭する中国」と言われるものの、中国は世界の覇権国になりうるという人と、中国共産党の力は弱く、いずれ崩壊するという人と、両方の考えを主張する人がいる。そうした中国の全体像を正確に把握するためにも、日本の現代史を中心とした歴史を学び直し、そこから考えるべきだとした。

次にいまだ冷え込みが続く日中関係だが、1972年の日中国交正常化から42年、日本は曲がりなりにも中国と平和的関係を築いてきたと氏は主張する。その好例として、1972年当時、1万人しかなかった両国の人的交流が、今では年間540万人にまで広がり、10億ドルの貿易総額が、3300億ドルにまで拡大したことを挙げた。
目下両国の関心事となっている11月の北京APECでの日中首脳会談の実現可能性についても触れ、これまでの両首脳の言動をみている限り、今日の日中関係の障害となっている二つの問題―領土主権と歴史認識―に何らかの譲歩がないと、実現は難しいのではないかとした。ただ、中国での習近平政権の人事の動きなどから見ても、来春には、氷がとける時期が訪れるのでないかという見解を示した。
氏はさらに、国の歴史とは、何人もの先人や国民の努力のうえに成り立っており、日中関係も、過去40年以上の両国の国民による不断の努力の賜物であると述べた。それを首脳陣だけの判断で、反古にする権利は誰にもなく、両国の首脳には歴史の重みを良く考えて欲しいと述べ、両国の関係改善には早期の首脳会談は欠かせないとした。
そして、少子高齢化が進む日本が、今後も世界である程度のレベルを維持するためには、教育が最も重要となると断言した。かつて、戦後の目覚ましい発展を遂げたミラクルジャパンの原動力は何かと言えば、教育にあるとされていた。しかしながら今では、公的教育への国の投資額のGDP比は、OECD34カ国中でも最低に近い。道路や、戦車に投資をしても何も生まれない。人はいろいろ考えて、いろいろなものを生み出すことができる。その意味で人的投資は、最も乗数効果の高い投資であり、アベノミクスの政策でも、ぜひ教育に力を注ぐべきだと強調し、講演を締めくくった。

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