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地球温暖化や資源の枯渇、災害リスクの高まりなどを背景として、エネルギー問題に対する取り組みが様々なレベルで始まっている。個人でエネルギー問題に対応する方法として、電力会社から供給される電力を断って自分達で発電して生活するオフグリッドという考え方がある。原理的には太陽光発電と蓄電池のシステムがあればオフグリッドな生活は可能であるが、性能を向上させるのも初期投資が膨れ上がってしまう。完全なるオフグリッド生活は雨の日でも自家発電でまかなえる範囲に電力消費を抑制する必要があり、相応の価値観が伴っているようだ。
一方、企業での取り組みはどうだろうか。世界的に住宅開発の主流となりつつあるゼロエネルギーハウス(ZEH)とは、発電・蓄電設備の導入や高断熱化により年間のエネルギー使用量と創出量が相殺される住宅であり、光熱費の低下や補助金付与という経済的インセンティブもあるので今後一般化していくと考えられる。ZEHを実現させるツールとしてホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)が注目されており、これは電力使用量や削減量などを「見える化」することで、電力の効率的な使用を可能にする。ZEHやHEMSの市場は今後拡大していくと考えられている[1]。
さらに大きなスケールで見ると、電力会社からの送電ではなく地域で作る自然エネルギー「ご当地エネルギー」を展開するNPOや団体が全国に広まっている。『ご当地電力始めました!』の著者高橋真樹氏によると、興味深いのは必ずしも原発反対などを掲げていない点だ。神奈川県相模原市の藤野電力もその1つで、手作り太陽光パネルのワークショップや、自然エネルギーを用いた音楽フェスティバルなどを手がける。取材を行った藤野電力の鈴木氏は地場工務店と連携し、新築家屋を中心に中国製の安価な太陽光パネルとカーバッテリーを用いた蓄電のシステムを導入している[2]。それらの住宅では太陽光発電電力と東京電力からの電力を選択的に使い分けることができ、先駆的な取り組みと言えよう。また茨城県取手市のアートプロジェクトと団地再興から生まれたSUN SELF HOTELは、オフグリッド生活を体験できる宿泊施設である。高橋氏によれば、このようなご当地電力は現在全国に200以上も存在するという。
国の政策としては、売電制度は1992年に制定されたが、2012年の固定価格買い取り制度で一気に注目を浴びるようになった。現在政府は数年に一度エネルギー基本計画[3]を発表している。2015年4月に経産省が発表した2030年時点の望ましい電源構成案[4]において、再生可能エネルギーに関して消極的であるという点は残念である。
<Interviewees>
清家剛: 東京大学准教授 建築の改修や解体・リサイクル、ライフサイクルアセスメントを専門とする
高橋真樹: フリージャーナリスト 『ご当地電力はじめました!』の著者
橋本和明・春子夫妻: インタビューを行った藤野電力で家を建てた夫妻
鈴木俊太郎: 藤野電力においてワークショップの講師や、家屋への太陽光パネル導入の促進を行う
<注>
1.富士経済「スマートハウス関連技術・市場の現状と将来展望 2014」
2. 2015年6月時点で29世帯に導入済み
3.(最新版)第四次エネルギー基本計画 平成26年4月
→過去には2003年10月、2007年3月、2010年6月に第一次~第三次基本計画が策定されていた
4. 総合資源エネルギー調査会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第8回会合)資料3
→再生可能エネルギーは22~24%、一方原子力エネルギーは22~20%





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